さよなら僕の夏 by ブラッドベリ

名作「たんぽぽのお酒」の続編を、読了しました…

さよなら僕の夏


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「さよなら僕の夏」
晶文社発行
2007年10月10日・初版

著者:レイ・ブラッドベリ
訳者:北山克彦

おかえり、ダグラス
永遠の名作『たんぽぽのお酒』のあの夏の日がよみがえる。
(帯より)

もういちど君に会いたかった、ダグラス・スポールディング。
永遠の名作『たんぽぽのお酒』から36年、あたらしい物語がはじまる。
アメリカ中西部の小さな町グリーンタウン。あの輝かしかった夏から一年後の夏の終わり、14歳になったダグラスに何がおこったのだろう?
巨匠ブラッドベリが人生のあたらしい季節をむかえようとする少年の心の揺らぎをあざやかにとらえる。
(ブック・カバー袖の、文章より)

イリノイ州グリーン・タウン。1929年10月、14歳になろうとしているダグラス・スポールディングのお話が始まります。
ダグラスは少年たちを集めて、クォータメインを中心とする老人たちに戦いを挑みます。
少年のままでいようとするダグラスは、時を止めるために時計台を壊そうとしたりします。
しかし、少年は大人へと成長します。また、老人は、子供にいままでの人生を受け継いでもらいます。
このお話は、世代交代と受け継がれる命のお話。少年の異性への目覚めと老人の衰退。
少年も老人も、お互いを認め合い、共に成長し続けるお話であったと思います。
発売されて間のない本なので、具体的なストーリーは記載いたしませんが、いろいろ考えることができるお話でした。

ところで、原題 farewell-summer は花の名前でもあるそうです。
晶文社の翻訳の現場から によると、「『遅咲きのアスター』などと花であることを記してある辞書はあることはある…」とあります。
アスターといえば、和名「蝦夷菊」とも言われるキク科カリトテフス属の植物が思い浮かびます。
私の想像ですが、多分ブラドベリは北アメリカ原産のキク科アスター属の孔雀草 (別名:孔雀アスター)のことをさしているのではないかと思います。
8月終わり位から咲き始めますから。

この本も、やはり名作です。
後何十年かして老人になったとき、再び読むべき本であると思います。
大切にとっておこうっと。


さて、次は何を読もうかしら。
やっぱり次は「何かが道をやってくる」 by ブラッドベリ ですかね~
同じグリーンタウンのお話ですし、主人公の少年たちは14歳です。
そして、テーマは「たんぽぽのお酒」「さよなら僕の夏」に直接つながっていると思いますからね。