「ウルトラマンダイナ」・第38話『怪獣戯曲』
実相寺昭雄監督、平成テレビ作品を鑑賞する(その3)
ウルトラマンダイナ Vol.10
「ウルトラマンダイナ」は、1997年(平成9年)9月6日から1998年(平成10年)8月29日まで、全51話が放送されました。 平成ウルトラマンシリーズの2作目であり、「ウルトラマンティガ」の続編でもあります。 俳優?タレント?ミュージシャン?のつるの剛士さんが主人公・アスカ・シン役です。 羞恥心・アラジンのリーダーで有名になりましたが、本職は「俳優」らしいです。 最近では、2008年の映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」で、7年ぶりにで再びアスカ・シン役として出演。 また、2009年12月公開の「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」でも再びアスカ・シン役として出演。 と、ウルトラファンには嬉しい活躍ぶりです。 全51話のうちの、第38話『怪獣戯曲』(1998年5月30日放映)が、実相寺昭雄監督作品です。 …そう、一本だけなんです。通常は2本撮りなんですが、一本だけ… ひとつ前の、第37話『ユメノカタマリ』を観ると、なんとなく理由がわかります。 第37話『ユメノカタマリ』の監督&特技監督が、服部光則です。 「帝都物語」で実相寺監督の助監督を務め、ティガでは実相寺監督作品の特技監督を務めた方です。 そしてゲストが、寺田農さん…と、明らかに『実相寺組』です。 ここからは想像なのですが、実相寺監督が撮る予定だったのですが、『怪獣戯曲』のスケジュールが押しちゃって、服部光則監督に任せたんじゃないかなぁ~ と、思っています。
第38話『怪獣戯曲』:バロック怪獣 ブンダー登場 天才と称された劇作家・鳴海の残した「怪獣戯曲」 そこに登場する怪獣出現を告げる男がTPC保護された時、物語はすでに開幕していた。 錬金術の粋を駆使して生まれた怪獣ブンダーが天下った… そして、鳴海が娘に託したという戯曲の結末とは、如何なるものであったのか? ウルトラマンティガの第37話『花』でも、桧舞台の上で踊るように一騎打ちを繰り広げるというカットがありましたが、さらに一歩進んで、舞台演劇がドラマになっていきます。 ドラマの中の現実が、登場人物の妄想に飲み込まれていくストーリーを観ていると、テレビの外側にまで妄想が広がって、観ている私たちまでがドラマに取り込まれそうになる、不思議なストーリーでした。 この話で、ウルトラマンダイナの登場シーンの「着地してから土砂が舞い上がる」演出が重量感があって、リアルでかっこいいです。 この演出は、この話で初めて使用されたと思いますが、好評だったので、次作「ウルトラマンガイア」で多用されることとなります。 でも、「ウルトラマンガイア」には、実相寺監督作品は無いんですよね~。 さて、明日は「ウルトラQ-dark fantasy」です。